あなたは社会人として正しい敬語を使っていますか?もしかして間違った話し方はしていませんよね。敬語というのは非常にややこしく間違いやすいです。ここでは正しい敬語の話し方と間違いやすい使い方を随時まとめていきます。
概要
- 1 【謙譲語】社内と社外が逆転!
- 1.1 上司宛に伝言を預かった場合
- 1.2 仕事の内容を同僚から聞いていた場合
- 1.3 社内の者が不在時、連絡があった場合
- 1.4 間もなく上司が到着することを伝える場合
- 1.5 取引先の相手から書類を見たか聞かれた場合
- 1.6 伝言を預かった場合
- 1.7 外出中の上司宛に電話があった場合
- 1.8 取引先から催促の電話が来た場合
- 1.9 取引相手の社長が同じことを言っていた場合
- 1.10 フロントを経由して欲しい場合
- 1.11 取引先の担当者さんに先に言ってある場合
- 1.12 一旦家によってから会社に行く場合
- 1.13 祖父が亡くなったことを伝える場合
- 1.14 消費期限の早いものをお土産に持参した場合
- 1.15 取引先の相手に座って待っててもらいたい場合
- 1.16 相手の今後の予定を確認したい場合
- 1.17 社外の人と行き先が一緒だった場合
- 1.18 相手方に商品を確認するか尋ねる場合
- 1.19 相手に見ていただきたい商品がある場合
- 1.20 用意して欲しいものがある場合
- 2 【不快な敬語】それは目上の方に失礼です!
- 3 【新入社員に多い敬語間違い】敬語初心者は必見
- 4 【物に敬語?】そこに敬語はいりません
- 5 【バイトで間違えやすい敬語】お店でよく耳にします
- 6 【若者言葉】普段使っている口癖が出ているかも
- 7 まとめ
【謙譲語】社内と社外が逆転!
ビジネスシーンにおいて、謙譲語は非常に重要な言葉となってきます。
謙譲語とは簡単に言えば自分を低めて話す言葉となります。
謙譲語に多い間違いとして、例えば、社外の方に対して自分の上司の身分を高めて話してしまったりすることです。
これは大変失礼に当たります。
ここを意識することによって適切な謙譲語を使うことができるようになってきます。
上司宛に伝言を預かった場合
×部長にお伝えします。
〇部長に申し伝えます。
ここで重要になってくるのは、たとえ自分の会社の社長であっても社外の人に対して自分の会社のものを高めて話してしまうのはNGとなります。
これは大変失礼に当たるので、自社の人間は必ず低めて言いましょう。
仕事の内容を同僚から聞いていた場合
×同僚から伺っております。
〇同僚から聞いております。
伺うというのは聞くという言葉の謙譲語になります。この言葉遣いは合っているようにも見えますが、実は間違っています。
社外の人に対して話すときは聞いております。というのが正解です。
社内の者が不在時、連絡があった場合
×担当は17時にお戻りになります。
〇担当は17時に戻ってまいります。
お戻りになるというのはどっからどう見ても尊敬語になります。つまりこれは自社の人間を高めて話してしまっていることになります。
自社の人間に対しては低めて話さなければなりませんからこの場合は「まいる」という謙譲語を使うことが正解です。
間もなく上司が到着することを伝える場合
×ただいま課長がいらっしゃいます。
〇ただいま課長がまいります。
いらっしゃるというのは尊敬語になります。
上記の例文と動揺を自社の者を高めてしまう言葉になりますので、この場合のまいるを使うことが適切です。
取引先の相手から書類を見たか聞かれた場合
×社長がご覧になりました。
〇社長が拝見いたしました。
ご覧になるということはこれは尊敬語になります。
取引先の相手に自社の人間を高めて話してしまったらそれこそ破談してしまいます。この場合は拝見するという言葉を使うことが正解です。
伝言を預かった場合
×担当の吉田に申し上げておきます。
〇担当の吉田に申し伝えます。
つまり担当の吉田に申し上げるということは自社の人間を高めてしまっていることにつながるので、これは申し伝えますが正解となります。
外出中の上司宛に電話があった場合
×桜井部長は外出しております。
〇部長の桜井は外出しております。
取引先から催促の電話が来た場合
×その件は部長もご存知かと思います。
〇そちらの件は、部長の桜井も存じておるかと思います。
ご存知というのは尊敬語になります。
この場合は存じという謙譲語を使うことが適切です。
取引相手の社長が同じことを言っていた場合
×御社の社長が申されました。
〇御社の社長がおしゃっていました。
フロントを経由して欲しい場合
×フロントで伺ってください。
〇フロントでお聞きください。
自社のフロントの人間を高めてしまうので伺ってくださいは間違いです。
この場合はお聴きくださいが正解ですが、その場の空気により
- お聞きいただけますか?
- お聞きいただけませんか?
などと使うこともあります。
取引先の担当者さんに先に言ってある場合
× ○○さんは存じているはずだと思いますが。
〇 ○○さんはご存知のはずだと思いますが。
存じるは謙譲語なので取引先の相手を下げた言い方をしてしまいます。
相手を立てなければなりませんので、この場合はご存知を使って表現することが良いでしょう。
一旦家によってから会社に行く場合
×家にうかがってからまいります。
〇家によってから出社いたします。
伺うは訪問する先を高める表現となります。
この場合、自分の家を高めてしまう言い方になってしまうのでこれは間違いとなります。
祖父が亡くなったことを伝える場合
×祖父が逝去いたしました。
〇祖父が亡くなりました。
逝去という言葉は他人を敬う場合に使う言葉です。
逝去は身内に使うことはありません。
消費期限の早いものをお土産に持参した場合
×早めにいただいてください。
〇お早めに召し上がってください。
いただくというのは謙譲語に当たります。
食べる相手を高めたい場合には、この言葉は使えませんので尊敬語の召し上がるを使うことが正解です。
取引先の相手に座って待っててもらいたい場合
×お座りしてお待ちください。
〇お座りになってお待ちください。
お座りしてお待ちくださいはどう考えても失礼ですよね。
この場合はお座りになってお待ちくださいというのが正解です。
相手の今後の予定を確認したい場合
×そちらはどういたしますか?
〇そちらはいかがなさいますか?
いたすというのはするの謙譲語です。いたしますか?と聞いてしまうと相手を下げた表現をしてしまいます。
そこで、なさるという尊敬語を使います。
社外の人と行き先が一緒だった場合
×一緒にまいりませんか。
〇ご一緒にいらっしゃいませんか。
「まいる」は行くの謙譲語です。相手を高めて表現したい場合はいらっしゃるを使うことが正解です。
相手方に商品を確認するか尋ねる場合
×こちらで拝見されますか?
〇こちらで確認なさいますか?
拝見するは謙譲語なので高める人に使う表現ではありません。
相手に見ていただきたい商品がある場合
×拝見していただきたい商品があります。
〇お見せしたい商品があります。
拝見するは見るの謙譲語です。相手を下げてしまうのでこれは失礼に当たります。
相手を高めた表現をする場合は
- お見せする
- お目にかける
- ご覧に入れる
などといういろいろな丁寧な表現があります。
用意して欲しいものがある場合
〇こちらの品物ご用意いただけますか?
前者の間違い敬語の方では相手の行為に対して表現するのは間違いです。
間違いやすい謙譲語の表現
自分を高めるのは間違い
基本的に敬語で間違いなのは自分の身分を高め、相手方を低めて敬語を使ってしまうことです。
少しややこしいですが尊敬語と謙譲語は違います。謙譲語を使わなければならない場面で尊敬語を使ってしまうことによって、結果的に相手のことを低めてしゃべってしまうことがよくあります。
謙譲語の難しいところ
謙譲語の難しいところは、相手に対して使ってしまうと失礼になってしまうことです。自分より相手を下に見ているという表現になってしまうのですから。
謙譲語を間違えないコツとしては、相手が自分に使うであろう敬語を絶対に相手の行為には使わない。このように覚えておけば相手に対して失礼な言葉遣いをすることはなくなるでしょう。
【不快な敬語】それは目上の方に失礼です!
目上の方に対する表現は少しシビアにいかなければなりません。それは少し表現を間違えると目上の方を見下したような表現になってしまうからです。
当然そんな気はなく、目上の方をねぎらったりしっかりと感謝の気持ちを伝えようとしても表現一つでかなり不快な敬語になってしまいます。
当然、目上の方にそんな失礼な言葉遣いをしたら「あんたは何様だ!」と思われてしまうでしょう。
そのような不快な敬語を目上の方に使ってしまわないように気を付けていきましょう。ここでは、丁寧に言ったつもりでも上から目線の言葉使いになってしまわないようにレクチャーしていきます。
目上の方にこちらから連絡することを伝えたい場合
×こちらからお電話を入れます。
〇こちらからお電話いたします。
よく間違えがちなのですが、電話を入れるという言葉遣いは上司に対してするものではありません。
~いたします。という表現が一番良いでしょう。
目上の方が外出先から戻ってきた場合
×御苦労様です。
〇おかえりなさい。
これもよく間違えがちですが御苦労様ですというのは目上の人がしたのもに対して言う言葉です。
お帰りなさいも失礼に当たると思われがちですが、下の者が言う場合はおかえりなさいで大丈夫です。
自分が説明を終えて、その確認をする場合
×おわかりいただけましたか?
〇その他説明不足の点はありませんでしょうか?
おわかりいただけましたか?だと相手の理解力に問題があるような言い方になってしまいます。これは失礼になるので絶対に言ってはいけません。
パソコンが苦手な上司に一言聞く場合
×パソコンはできますか?
〇パソコンはお使いになりますか?
できますか?という質問は目上の方に失礼な問いかけです。
ゴルフの腕前を褒める場合
×意外と上手ですね。
〇ゴルフを教えていただけませんか?
意外にという言葉は基本的に誰に対しても失礼な問いかけになります。
上司の腕時計を褒める場合
×なかなか格好いいじゃないですか。
〇すてきな腕時計ですね。
なかなかという言葉を使うのは失礼に当たりますので言葉遣いに気を付けましょう。
上司からアドバイスをいただいた場合
×さすがです。
〇勉強になりました。
さすがです。だけだと味気ないので、勉強になりました。がベターですね。
勉強させていただきました。など別の表現方法もありますので覚えておいてください。
【新入社員に多い敬語間違い】敬語初心者は必見
社会に出てしっかりとした敬語に慣れていない新入社員にありがちな間違いを紹介していきます。
今まで生きて来て普通に耳に入ってくる言葉の中でも多くの大人が勘違いして使っている敬語があります。新社会人はその間違った敬語を使いがちなので、ここで正しい敬語を覚えていきましょう。
相手の荷物を預かる場合
×お荷物失礼いたします。
〇お荷物をお持ちいたします。
この場合はお荷物をお持ちいたしますが一番良いでしょう。
社外の人から休んでいる人を尋ねられた場合
× ○○はお休みをいただいております。
〇 ○○は休んでおります。
与えてくれている人はその会社の上司です。社外の人に言う場合は自分の上司を高めていってしまう表現になるのでこれはNGとなります。
上司に勧められた本で感動した場合
×感動させていただきました。
〇感動いたしました。
~させていただく。というのは許可を得て起こした行動に使うのは本当の使い方です。
これは敬語のようで敬語ではありませんのでご注意ください。
営業時間外に店に訪れたお客さんが来店した場合
×ご利用できません。
〇ご利用いただけません。
これは、よく使ってしまう間違い敬語ですが、お客様に使う言葉としては不適切です。
上司に頼まれていた書類を作成した場合
×作らさせていただきました。
〇作成いたしました。
これはいわゆる、さ入れ言葉に該当します。それに、加えさせていただくということは、許可を得てする場合に使う表現ですのでこれは間違いです。
この場合は作成いたしましたで OK です。
上司から褒められた場合
×いいえそんな事はありません。
〇ありがとうございます。
まだそれほど打ち解けていない上司に対してこのように謙遜しがちですが、褒められたら素直に受け入れておきましょう。
【物に敬語?】そこに敬語はいりません
相手に物をすすめる場合、相手に敬語を使っているつもりでもそれは物に対して敬語を使っていることがあるかもしれません。
冷静に考えてみると、いつも間違った敬語を使っていることがわかります。
物に対して敬意を示したところで何にもなりません。無駄な敬語をここで直していきましょう。
服を買おうか迷っているお客さんに声をかける場合
×この服を着てあげてください。
〇よろしければお召しになってください。
これは、よく考えればわかることですね。服を着てあげてくださいというのは服に対して敬意を表しています。
召すというのは着るの尊敬語となっています。
相手方が到着した場合
×車が到着なさいました。
〇車が到着いたしました。
なさるは尊敬語ですが、車が到着なさいましたということは車に向けて尊敬語を行っていることになります。
初めてのお宅に訪問する場合
×藤田さんのお宅でいらっしゃいますか?
〇藤田さんのお宅でしょうか?
これは疑問文であるからわかりづらく感じるかもしれません。
ですのでこの場合は藤田さんのお宅でしょうか?が正解です。
上司が書いた絵を褒める場合
×上手にできておられますね。
〇素晴らしい絵でございますね。
上手という言葉は、あまり目上の人に対して使う言葉ではありません。
この場合は素晴らしいや立派などの褒め言葉に言い換えましょう。
飼い犬が死んでしまった場合
×今朝、犬が亡くなりました。
〇今朝私の犬が死にました。
亡くなるという言葉は、人に対してしか使いません。
丁寧に言おうとすると前者の表現をしてしまいがちですが、シンプルに後者の表現で大丈夫です。
商品の説明を詳しくする場合
×こちらは滑りどめがついていらっしゃいます。
〇こちらは滑りどめがついております。
いらっしゃるという言葉は尊敬語ですので、物に対して言う言葉ではありません。
【バイトで間違えやすい敬語】お店でよく耳にします
バイト敬語でよく耳にするのは~でよろしかったでしょうか?
この言葉は間違いだということはよく耳にすることでしょう。
なぜこのように間違った敬語がバイトに伝わっているのか。それは企業が間違った敬語をマニュアル化してしまったからです。
マニュアルに書いていることがすべて真実とは限りません。ここではバイトの敬語で勘違いしやすいものについて解説していきます。
会計時の場合
× ~円からお預かりします。
〇 ~円をお預かりいたします。
これもよく耳にする間違いですね。
お客様に注文がすべて合っているか確認を取る時
×ご注文の品はおそろいになったでしょうか。
〇ご注文の品はそろいましたでしょうか。
おそろいになった。というのは注文の品に敬意を表していることになってしまいます。
この場合の表現としましては、
- そろいましたでしょうか?
- おそろいになりましたか?
と聞くのが良いです。
お客様に注文の品を渡すとき
×こちらハンバーガーになります。
〇ハンバーガーをお持ちいたしました。
これらは単品の際に使う敬語ではありません。単品の物を運んできたときは○○をお持ちいたしました。で大丈夫です。
注文の品を確認するとき
×以上でよろしかったでしょうか?
〇以上でよろしいでしょうか。
これも有名な間違いですね。これは企業が間違い敬語をマニュアル化してしまったために起こった代表的なミスです。
お客様が領収書を要求してきた場合
×お名前頂戴してもよろしいですか?
〇お名前をお聞かせいただけますでしょうか?
頂戴するという本当の意味はもらうという意味です。これを言い直してみると、名前をもらうという表現になってしまいます。
お弁当を温めるか聞く場合
×お弁当の方を温めますか?
〇お弁当を温めましょうか?
これは俗にいう、ほうほう言葉という間違い敬語ですね。
丁寧に言おうとして、いらない言葉がまざってしまっています。
お会計時によくある間違い
×お会計はまとめるという形でお願いします
〇お会計はまとめてお願いいたします
○○という形という表現をよくしてしまいますがこれも間違いです。
【若者言葉】普段使っている口癖が出ているかも
目上の方に対して、今の若者の言葉を使うことは少し失礼に当たります。
代表的なもので言えばマジっすか。
これはビジネスのシーンで使うとかなり不快に思う方が多いでしょう。社会人として学生時代のノリは卒業し、正しい敬語を使っていきましょう。
相手に確認を取りたい場合
×マジっすか?
〇確認させていただけますでしょうか。
確認したい際にこのような言葉遣いなってしまいがちですが、確認させていただけますでしょうかとしっかり言いましょう。
お客様から注意された場合
×超うざいんですけど。
〇ありがとうございます。
バイトとはいえ、あなたも大人。
おせっかいだとしても、ここはありがとうございますというのが無難です。
ダメだというニュアンスを伝えたい場合
×ダメかもしれません。
〇難しいと存じます。
存じますという言葉は、非常にやわらかい印象のある言葉です。
会社の上司から提案された場合
×何気に良さそうじゃないですか。
〇良い企画でございます。
若者はよく、なにげにという言葉を使います。なにげにという言葉は失礼に当たりますし、そもそも非常に抽象的な言葉です。
焦ってミスをしてしまった場合
×ちょっとテンパっていました。
〇余裕がない状態でございました。
テンパるという言葉はいわゆる俗語ですのでビジネスシーンで使うのは良くありません。
まとめ
間違えやすい敬語の例文はどうだったでしょうか?
普通に生活してきて、よく耳にしてきている敬語でも間違っているものが沢山あります。そのまま大人になってしまうと間違った敬語を自然にずっと使い続けてしまっていることになりがちです。
今日から正しい敬語を使ってビジネスライフを送っていきましょう。